交通費・立替金・実費を請求するとき

2026年9月30日 更新

実費の書き方は、「取引先が払うべき費用を代わりに払った(立替金)」のか、「仕事のためにかかった費用を報酬と一緒にもらう(交通費など)」のかで変わります。前者は消費税の対象外になることがありますが、後者は原則として報酬の一部として消費税がかかります。

2つの違い

種類消費税
立替金(取引先の費用を代わりに払い、はっきり分けて受け取る)対象外。自分の経費(仕入税額控除)にもならない
立替金に手数料を上乗せして受け取る全額が対象(課税)
報酬と一緒に受け取る交通費・宿泊費原則として報酬に含まれ、対象(課税)

出典:国税庁の質疑応答事例(ホテルが客のタクシー代を立替払した場合・実費弁償金の課税)。報酬と一緒に受け取る交通費は、交通機関やホテルへの支払いが実質的に依頼者の直接払いと認められる場合を除き、報酬に含まれて課税の対象になるとされています。帳簿で「立替金」と処理しただけでは、対象外にはなりません。

請求書の書き方の例

品名税率
撮影料 1式 50,000円10%
交通費(10/12 新宿⇄横浜 電車往復) 1,280円10%(報酬と一緒に受け取る実費)
立替金(ご指定の資材の購入代・領収書の写しを添付) 8,800円対象外

交通費は「いつ・どこからどこまで」を書くと、相手の経理が確かめやすくなります。

インボイス制度での立替金:精算書を添える

取引先が立替金の分の消費税を差し引く(仕入税額控除)には、支払先が出したインボイスの写しと、立て替えた人が作る「立替金精算書」などを一緒に保存する必要があるとされています(国税庁 インボイス Q&A(令和8年5月改訂)問94、消費税法基本通達 11-6-2)。

源泉徴収との関係

デザイン料・原稿料・講演料など源泉徴収される報酬と一緒に払う旅費・宿泊費も、原則として報酬に含まれ、源泉徴収の対象です。ただし、払う側が交通機関やホテルに直接払い、その金額が通常必要な範囲なら、源泉徴収しなくてもよいとされています(所得税基本通達 204-4、国税庁 No.2795)。「車代」「取材費」「材料費」といった名目でも、報酬の性質があれば対象です(同 204-2)。

源泉徴収の計算は源泉徴収の計算と書き方、対象になる報酬は源泉徴収される報酬・されない報酬へ。

仕事を受ける前に、費用の扱いを決めておく

フリーランス法では、仕事を頼む側が交通費や材料費などの費用を負担する場合は、費用を含めた総額が分かるように報酬の額を示す必要があり、費用の精算について特に示していなければ、示した報酬の額だけを払うという意味になる、と説明されています(公正取引委員会・厚生労働省「フリーランス法の考え方」)。「交通費は別途実費精算」のように、見積もりや発注のメールで決めておきましょう(見積条件の書き方)。

領収書の写しは添付が必要?

報酬と一緒に受け取る実費について、領収書の写しの添付を一般に求める国税庁の説明は見当たりません。ただし、取引先の経理から求められることは多いので、領収書は保存しておき、求められたら写しを渡せるようにしておきましょう。立替金の場合は、上のとおりインボイスの写しと精算書を渡すのが原則です。

pencho では、明細ごとに税率を選べ、立替金は「対象外(不課税)」を選ぶと消費税を足さずに載せられます。

この記事は一般的な説明です。個別の取引で判断に迷うときは、税務署や税理士にご相談ください。

スマホで、その場で作って PDF で送れます。アプリ不要。作成とプレビューは登録なしで使えます。

実費も入れた請求書を作る

関連するガイド

この記事は、pencho(運営:合同会社イマジネイティブ・アンダーバー)が、国税庁などの公開情報をもとにまとめた一般的な説明です。個別の取引の税務の判断は、税務署や税理士にご確認ください。