振込手数料はどちらが負担する?
2026年9月30日 更新
振込手数料は、取り決めがなければ、代金を払う側(取引先)が負担するのが民法の決まりです。「弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする」と定められています(民法485条)。ただし、契約で「受け取る側の負担」と決めることもできます。
請求書に書いておく
あとで行き違いにならないよう、請求書の振込先の近くや備考に書いておくのがおすすめです。
- 「恐れ入りますが、振込手数料は貴社にてご負担くださいますようお願いいたします。」
- 「お振込手数料はご負担をお願いいたします。」
いちばん確実なのは、見積もりや契約の段階で決めておくことです(見積条件の書き方)。
差し引かれて入金されたら
- 契約や見積もりで、振込手数料をどちらが負担すると決めていたかを確かめます。
- 決めていなかった、または相手の負担と決めていたのに差し引かれていたら、次回からの扱いを相手と話し合います。数百円の差額を今回だけ請求するかどうかは、関係を見て判断しましょう。
- 自分の負担として受け入れる場合は、帳簿に記録しておきます。
インボイス制度での扱い
差し引かれた振込手数料を受け取る側(売手)が負担する場合、国税庁は、取引の関係に応じて次のような扱いを示しています(インボイス Q&A(令和8年5月改訂)問29)。
- 売上の値引きとして扱う:本来は返還インボイス(値引きなどを示す書類)が必要ですが、税込1万円未満なら交付しなくてよいとされています。振込手数料はふつう1万円未満なので、多くの場合は不要です(1万円未満かどうかの判定は問28)。
- 支払手数料として扱う:取引先から受けたサービスの対価として扱う場合は、仕入税額控除のために取引先のインボイスなどが必要になります。
どちらで処理するかで帳簿の付け方が変わるので、迷うときは税理士や会計ソフトの案内を確かめましょう。
取適法の対象の取引では、差し引きは禁止
2026年1月1日に施行された取適法(中小受託取引適正化法、旧・下請法)の対象になる取引では、合意があってもなくても、振込手数料を受注側に負担させて代金から差し引くことは「減額」として禁止されています(公正取引委員会)。対象になるかは、発注側の資本金・従業員数や取引の種類で決まります。当てはまりそうなときは、支払われないときの記事にある無料の相談先も使えます。
pencho では、請求書の振込先や備考に、振込手数料についての一文を書いておけます。
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この記事は、pencho(運営:合同会社イマジネイティブ・アンダーバー)が、国税庁などの公開情報をもとにまとめた一般的な説明です。個別の取引の税務の判断は、税務署や税理士にご確認ください。